豊橋市で、最も古い歴史を持つ花園商店街で第1号店を開業。知的障害をもつ3名の女性スタッフと共にスタート。動機は、「障害者の全国平均月給(工賃)1万円」という現状に、単純に驚いたため。単なる「障害者のパン屋さん」ではなく、「顧客意識をもち、働き、稼ぎ、自立する」ということを前面に打ち出したメッセージ店舗として展開。
開業動機の「1ヶ月1万円」という現実には、ホント衝撃的でした。でも、それを障害だから、福祉だからということで片付けてしまう風潮にさらにショック。別に障害のせいではないのだから、そんな世界は変えれるなと、漠然とした自信だけで開業しました。パン屋としての経験や商売の実績もなく、採算根拠や収支根拠もないまま、自信のみで開業。障害者スタッフ全員には最低賃金を保証しました。当然のこと、開業から数ヶ月は真っ赤の赤字。自転車操業とはこのことかと初体験。それでも、このときの3名のスタッフはよく努力をし、がんばってくれました。あの努力があったから、今のラ・バルカがあります。大いなる感謝です。
それから、正直色々言われました。「あれがダメ、これがダメ」って。わかりもせずに批判だけするのは、一番簡単なことだなと、当時はよく思いましたね。でも、あのときの精神的な、なんとも言えない経験が、今の自分の支えとなり、大きな自信となってることは確かです。あのとき以上のものはないだろう。あの時のことを思えば・・・。と。どんなに、あれこれ人が批判しようと、少なくとも僕はやってきましたよ!ってね。胸を張って。
あの時があったから、今がある。大きな自信とともに、そんなラ・バルカに今も変わらずについてきてくれている当初のスタッフたちに、とてもとても感謝しています。
ありがとう!!
旧授産施設(就労支援系事業)が、まだ社会福祉法人にしか許可されていない時代に、日本ではじめてデイサービスの制度を活用した就労支援事業をNPO法人で実施。現在の法制度のモデル事例に。
豊鐵工株式会社(渡部茂久社長)から土地・建物(旧社員寮)・運営資金の贈与を受け、豊橋市から『社会福祉法人豊生ら・ばるか』として認可。 平成18年2月より、知的障害者通所授産施設(身体・精神障害の受入も可能となるよう、相互利用制度を適用)『豊生ら・ばるか就労訓練工場』を開設。
社会福祉法人設立は、僕の活動の大きな転機でした。
「障害者の全国平均月給10万円」という全国展開の目標が、夢や理想ではなく本当のラ・バルカの目標となった瞬間であり、それを現実視できるようになった瞬間でした。
このときの総スタッフ数60名。(うち障害者スタッフ数37名)
ベーカリー部、PC事業部、軽貨物事業部、ハウスクリーニング事業部、農産物事業部、の5つの授産事業部を展開。年間授産事業での売上は、80,000千円を超え、平均月額工賃は50千円/人を超えました。平成17年~18年は、まぎれもなく大きな人生の転機でした。
当時、障害者施設への工賃アップ施策を全国に先駆けて取組んでいた田中康男長野県知事にメールをしたことがきっかけで、長野県の工賃アップアドバイザーに就任。
長野県下全域の障害者施設に対して、様々な事業の提案や工賃アップへの仕組みを仕掛ける。(第一次安倍内閣で、障害者の工賃アップは国の成長戦略の1つに位置づけられ、このころから障害者の工賃アップ施策が全国で実施され始める。)
夏目が副社長を務める株式会社ライフリベット(代表取締役山本卓徳)がフランチャイジーとなって、長野県松本市の信州大学病院内に7名の障害者が働くタリーズ1号店を開設。
その後、滋賀医科大学病院、高知大学病院、豊川市民病院、豊橋駅前と出店し、現在5店舗を全国に展開。
タリーズコーヒーの創業者松田公太さんの著書に勇気づけられてラバルカを創業した平成15年の春。以来タリーズコーヒーと松田さんに憧れて、いつか障害ある皆にタリーズのエプロンをつけてカッコよく働いてもらいたい!一緒にタリーズをやりたい!を目標に一生懸命頑張ってきました。ラバルカ創業から約6年、ようやくその夢が叶う瞬間をタリーズ本部からいただきながらも、どうしても僕の資金力では実現が難しかった当時。そんな時、その苦悩をすぐ近くにいたライフリベット代表の山本に話をすると、何の迷いもなく瞬時に、ただ一言、「やろう!資金は俺がなんとかする!」と言ってくれました。
恐らく、資金調達は容易ではなかったはず。その苦労と心労を表に出さず、ただタリーズ1号店開設に奔走してくれた山本に、心から感謝の気持ちでいっぱいです。
ホールディングカンパニーとして、ラバルカグループを社団法人化。夏目が代表理事に。ラバルカグループから様々な企業へ出資し、経営参画することで、企業の経営内部から障害者の雇用促進を図る。
障害者専門の様々な情報を発信するポータルサイト事業を実施
日本財団が実施する「夢の貯金箱(寄付型自動販売機事業)」の寄付金の使いみちを決める「夢ちょ総選挙」で、ラバルカが提案する全国チョコレート事業が当選。
全国の障害者および障害者事業所に対し、数々のトップブランドを手掛ける業界巨匠の野口ショコラティエと共に、チョコレートの魅力とパワーを伝え、彼らの社会参加と自立、そして所得アップを抜本的に行う「全国夢のチョコレートプロジェクト」として始動。
現在全国27か所にまで拡大した「全国夢のチョコレートプロジェクト」のウェブサイトはこちら!
「チョコレートは特別の人しか作れない、特別の人だけのものではない。チョコレートへの正しい知識とその本質を知れば、誰でもチョコレートを通じてロマンの創出者になれる!チョコレートの裾野を拡げることで社会を豊かにする!」をライフ理念とする野口ショコラティエとの出会いは、衝撃とこれから僕が何をすべきかを明確にさせてもらえた出会いでした。
様々な就労事業を創ってきたからこそ、チョコレートは本気で障害者就労の社会を変えることができる食材だ!と思っています。
これからは、僕の集大成として、チョコレートで障害ある彼らと共に生きていきたい!と考えています。そして僕らのチョコレートブランドが真のトップブランドとして業界の中で位置づけられた時、この国の福祉は変化をしていくと本気で考えています。
「これからは、彼らと一緒に、チョコレートで生きていく。」(記事はこちら)
それが、次なるラバルカと僕の決意です。